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診断



「厚生省特定疾患調査研究班による診断の手引き」によれば、主要項目に以下の症状と検査所見があげられています。これらの検査により、その他のよく似た病気とはっきりと区別してMGを診断することができます。



 
症状  >> 上へ
 
  • 「眼症状では、まぶたの下垂、眼球を動かす筋肉のマヒによる複視(いずれも左右差が多く、一日の内での症状の変動が著しい)があること」
  • 「延髄球症状では、そしゃく困難、表情筋マヒ(表情障害:泣いたような表情)、嚥下、構音障害(鼻声など)があること」
  • 「四肢症状では、四肢近位筋、ことに首、肩および腰の筋の障害が種々の組み合わせをもって現れる」(上肢挙上困難など)




テンシロンテスト  >> 上へ
 
 テンシロン(抗コリンエステラーゼ剤の一種、商品名アンチレックス)という注射薬を、静脈にゆっくりと注射していくと、今まで下がっていたまぶたがパッチリと開き、手足にも全身にも力が戻ることで診断します。テンシロンは、静注終了後30秒から1分で効果が最大になり、約10分で消失します。非常に作用の短い薬です。筋力回復を観察することが可能なため、診断に使われています。
 「治るんだろうか?自分はどうなっていくんだろう」と診断がつかないで不安な気持ちでいる患者に、テンシロンは「この病気は治る!」と希望を与えてくれる薬です。ここから病気に立ち向かう勇気と、生きる望みが湧いて来たという体験をもっている人もいます。




筋電図検査  >> 上へ
 
 腕や足に弱い電流を流して、筋肉の働きの状態を調べます。筋肉を反復刺激すると、MGでは段段と反応が鈍くなってきて疲れの現象(Waning現象と言います)が起きます。Waning現象が出現した場合、テンシロンテストで確認することにより、診断は一層確実となります。これが診断の根拠に使われます。
 少々痛い検査ですが、正しい診断のために必要な検査です。




抗アセチルコリン受容体抗体検査  >> 上へ
 
 これは血液で検査することができます。結果が陽性の場合は診断の手がかりになります。
 またすべてのMG患者に検出されるものではありません。抗体が検出されなくても、症状が残る人もいます。これは「未知の抗体」の存在の可能性や、未知の病気原因を示唆すると考えられるもので、今後の研究が期待されます。



CT・MRIによる胸腺の検査  >> 上へ
 
 CTやMRIによって胸腺の状態を調べます。その結果、胸腺腫が発見される場合もあります。




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